官公庁営業というと「自治体向け」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、ターゲットを自治体だけに絞ると、実は市場をかなり狭めてしまっている可能性があります。この記事では、国の機関や独立行政法人、国立大学法人なども含めて官公庁営業の対象をどう広げるか、そして広げても進め方はほぼ同じで済む理由を解説いたします。
官公庁営業は「自治体」だけではない
最初に結論をお伝えすると、官公庁営業の対象は地方自治体に限りません。あえて自治体だけに絞ると、本来狙えたはずの大きな市場を外してしまうことになります。
国・独立行政法人・国立大学法人も対象になる
「自治体」という言葉は、一般的には都道府県や市区町村などの地方公共団体を指します。そのため自治体向けと銘打つと、国の府省庁やその出先機関、独立行政法人、国立大学法人、特殊法人といった組織が対象から外れている印象を与えてしまいます。これらはいずれも何らかの調達を行っており、本来は官公庁営業のターゲットになり得る存在です。
「分母」を自ら小さくしていないか
予算の規模という観点でも、国全体が動かす金額は地方自治体一つひとつと比べて桁違いに大きくなります。ターゲットの「数」で見ても、国の機関や独立行政法人を含めれば対象は大きく広がります。自治体だけに限定する明確な理由がないのであれば、対象を広く構えたほうが機会は増えます。
「自治体向け」と名乗ること自体が悪いわけではありません。ただし自社のサービスが国や独立行政法人でも役立つなら、入口の言葉で対象を狭めていないかを一度見直す価値があります。
国の機関は全国に「出先」がある
国の機関は霞が関にだけあるわけではありません。本省の下に全国に広がる出先機関や関連組織が数多くあります。

本省の下に地方の出先機関が連なる
一つの府省庁の下には、外局や地方支分部局といった組織がぶら下がり、その先に全国の事務所が置かれていることが少なくありません。たとえば各地に置かれた事務所や地方機関は、それぞれが人を抱え、業務を回すための調達を行っています。つまり国の機関を対象にすると、霞が関だけでなく全国規模で接点の候補が生まれます。
独立行政法人・国立大学・特殊法人という広がり
独立行政法人や国立大学法人、特殊法人なども、もとは国に近い性格を持ち、国の機関に準じた契約の考え方で調達を行うのが一般的です。研究機関や大学、医療機関など、業務内容も幅広く存在します。自社のサービスがこうした組織でも使えるなら、対象から外す理由は多くありません。国の機関の調達手続きについては、調達ポータル(デジタル庁)でオンライン化が進められており、どのような調達が行われているかを知る手がかりになります。
根拠法は違っても進め方はほぼ同じ
対象を広げると「国と自治体ではやり方が違うのでは」と不安になるかもしれません。結論から言えば、土台の考え方は共通しています。
会計法と地方自治法、ベースは近い
国の機関は会計法、地方自治体は地方自治法という、それぞれ別の法律に基づいて調達を行います。細かな規定には違いがありますが、「税金を使うため、公平に調達する」という基本の枠組みは共通しています。営業側から見れば、相手が国でも自治体でも、押さえるべき勘所は大きくは変わりません。
予算で動く、という共通点
国も自治体も、年度ごとの予算に沿って動くという点は同じです。予算が組まれる前の段階から接点を持ち、相手の課題を理解しておくことが受注確度を左右します。この基本姿勢は、対象が広がっても変わりません。一度ノウハウを身につければ、国や自治体、独立行政法人へと横展開しやすいのが官公庁営業の特徴です。
対象の広げ方と優先順位のつけ方
対象が広いからといって、やみくもに全方位へ動く必要はありません。順序を決めて広げていくことが大切です。
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自社の所在地に近い機関から始める
本店所在地の自治体は、地元の事業者として相対的に取り組みやすい起点になります。距離が近ければ訪問もしやすく、関係を築きやすくなります。 -
自社サービスが効く分野の機関を洗い出す
国の府省庁や出先機関、独立行政法人、大学などのうち、自社が役立てる業務領域を持つ組織を整理します。 -
公開データで案件の出る機関を見極める
過去の調達や落札の傾向から、自社の領域で発注実績がある機関を優先します。 -
近い順・関係を作れる順に広げる
いきなり全国を狙わず、関係を継続できる範囲から着実に広げていきます。
対象が広いほど「手当たり次第」になりがちですが、官公庁営業は関係構築に時間がかかります。広げる方向は決めつつ、一つひとつの機関と継続的に向き合える体制かどうかも合わせて考えましょう。
官公庁営業の対象を広げるために、本記事の要点を整理します。
- 官公庁営業の対象は自治体だけでなく、国や独立行政法人、国立大学法人なども含まれる
- 国の機関は全国に出先があり、対象は霞が関にとどまらない
- 会計法と地方自治法で根拠は違うが、「税金を公平に使う」基本は共通で進め方も近い
- 自社の近い機関や効く分野、発注実績のある機関から順序立てて広げる
対象を広げる考え方は、知っていれば自社でも取り入れられます。ただし複数の機関と並行して関係を築き、それぞれの予算サイクルに合わせて動き続けるには、相応の体制と継続力が必要です。広げた先で接点が途切れてしまえば、また入口からのやり直しになります。
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